退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビアニメ『寄生獣 セイの格率』を見終わりました。平野綾がいいね!

日本テレビで放送されていたテレビアニメ『寄生獣 セイの格率』(全24話)が終了した。2クールにわたり十分に楽しませてもらいました。

原作は岩明均のコミック『寄生獣』で、アニメと同じタイミングで実写映画も製作されている。原作が最初に「アフタヌーン」に掲載されたのは1988年のこと。あらためて読んでみると連載当時の時代を舞台としているため、絵柄も含めさすがに時代を感じさせる部分もある。
寄生獣(1) (アフタヌーンコミックス)

本作は基本的には原作に準拠したストーリーになっているが、舞台を現代に移していまの世相を取り込みつつうまく翻案されている。これが成功しているのは、テーマに普遍性があり物語の軸がしっかりしているからで、原作の持つ力というべきだろう。

アニメ化のニュースを聞いて最初に気になったのは、新一の右手に寄生したパラサイトのミギーの声のこと。『牙狼〈GARO〉』のバルザ(声:影山ヒロノブ)のような中年男性の声をイメージしていてので、平野綾が起用されることを意外に思ったことを覚えている。

寄生獣/ミギーぬいぐるみパペット

放送が始まれば平野綾の演技に納得したのだが、スタッフの慧眼は大したものだ。彼女の声優としての代表作になったと言っても過言ではないだろう。音響監督(?)に「グッジョブ!」と言いたい。これだけでもこのアニメを見る価値がある。

余談になるが平野綾と言えば、「アニヲタ発言」で物議を醸したことは記憶に新しいが、昨年は帝劇ニュージカル 『レディ・ベス』でタイトルロールを演じている。声優とミュージカル女優を兼ねるのもすごいのだが、そりゃアニヲタを相手にするより帝国劇場で喝采を浴びる方がやりがいがあるだろう。声優としての演技力も舞台経験が生きているのだろう。下は 『レディ・ベス』での勇姿。左が平野綾(ちなみに右は花總まり)。

ミュージカル 2015年3月・4月号

さて話をアニメに戻すと、全体としてとても丁寧に造られていて好感が持てるが、ひとつ気になったのは劇中のBGM。時々、電話の待ち受け音かと思うような「ピロロロ…」という気の抜けたBGMが流れて萎えてしまった。全体からみれば瑣末なことだが。

本作は最近のアニメのなかでは秀逸で、毎週の放送が待ち遠しく思えたのがは久しぶり。半年間ありがとう。しかし、タイトルの「セイの格率」が何だったのか最後まで謎だった。だれか教えて下さい。

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