Huluで配信終了ギリギリだったので、映画『パラダイス・キス』(2011年、監督:新城毅彦)を軽い気持ちで見てみました。矢沢あいのコミック『Paradise Kiss』の実写化作品。
進学校に通う平凡な女子高生の早坂紫はある日、ファッション業界を目指す専門学校生から学園祭のショーのモデルにスカウトされ、天才と称えられるジョージと出会って……。という、ラブストーリー。ヒロインの早坂紫を北川景子が、そしてジョージを向井理が演じています。
最初から期待していませんでしたが、旬の俳優を集めて人気コミックを映画にしたらこんなのできました、というお手軽映画です。北川景子が好きで仕方ないという人以外はおすすめできません。かと言って、彼女をフィーチャーしたアイドル映画に徹しているわけでもなく中途半端。
ダメなところはたくさんありますが、まず指摘したいのは、柴がジョージに出会う前後のコントラストが弱いこと。平凡な女子高生が、カリスマであるジョージと出会うことで人生が大きく変わるのが見せ場のはずが、劇的な変化が見えないのが難点。北川景子が美人で最初からオーラ全開ということもありますが、何らかの演出上の工夫がほしいところです。
北川景子と言えば、演技はたどたどしいのに劇中でファッションモデルを演じる場面では「水を得た魚」のように達者になるのが面白い。映画を見終わって思ったのは、彼女は、無意識だろうがひたすら自分が美しく映るように演技しているのはないかなと。確認するためにもう一度見ようかとも思いましたが、映画がつまらいのでやめました。
原作は未読ですが、きっとコミックはもっと面白いのだろうなと想像させるぐらいの効果はありました。ぜひ読んでみたいものです。