少し前まで放送していたドラマ「イタズラなKiss」の録画を見終わった。原作は「別冊マーガレット」に連載されていた多田かおるの少女コミック。本作は、1996年にテレビ朝日の月曜ドラマ・イン枠でテレビドラマ化された。
連載中にテレビドラマ化されたことあり、最終回も中途半端な終わり方で不満が残る。まあ原作そのものが、多田の急逝のために未完に終わっているので仕方ないというところか。


火事で家を失った相原父娘。困窮していた父娘を救いの手を差し伸べたのは父の旧友だった。ヒロイン・相原琴子(佐藤藍子)は、父の旧友の家族のもとに身を寄せて暮らし始める。しかし、そこは琴子の片思いの相手・入江直樹(柏原崇)の家だった。しかして琴子と直樹の奇妙な共同生活が始まった……。


物語は学園を中心に展開していくが、最終回はこんな話だ。琴子の急病のため東大受験を棒に振った直樹は、なぜか系列大学の医学部に進学して医師を目指すことを決意する。それを知った琴子は、看護師になると一念発起するが、なぜか秋田の看護学校に進学し、ふたりは離ればなれに。数年後、実務実習で上京した琴子は、偶然直樹と再会する。その後、直樹は琴子を選んでハッピーエンド。


テキトーすぎる脚本で思わず「おい、これでいいのか!」と思ったが、「月曜ドラマ・イン」というのはそういう枠だったのだろう。原作ともかなりちがう。
このドラマでは原作イラストに実写を重ねるという演出が多用されているが、そもそもビジュアル的にヘアスタイルはそれでいいのかと小1時間問い詰めたい。原作の琴子はロングヘアなのに、佐藤藍子はショートヘア。まずそこは合わせようよ。
当時の佐藤藍子は優等生キャラの固いイメージがあり、こういう一途なドジっ子・女子高生はどうなのかと思ったが、意外に堂に入っている。柏原との相性もなかなかよく、美男美女でビジュアル的には申し分ない。


少し前に現在の佐藤藍子がメディアに出ていたのを見かけたが、セレブ然とした美しさに圧倒された。当時からその片鱗は感じられる。初手から土台がちがうということだろうか。
それにしてもタイトルのせいか、やたらとキスシーンが多いドラマだった。クランクアップした映像でも、サングラスをかけた柏原が、佐藤の頬にキスしていた。サプライズだったのか、佐藤の微妙な表情がおかしい。


ドラマ本編の後にクランクアップ後の映像があるのは、当時の風習だったのだろうか。安達祐実主演のドラマ「ガラスの仮面」でも同じような構成になっていたが、現場の雰囲気が伝わってくるようでちょっと面白い。