DVDで『ハッシュ! 』(2001年、橋口亮輔監督)を見る。これまでに何度も観た映画なので、橋口監督、撮影の上野彰吾、そして片岡礼子の3人によるオーディオコメンタリーを選択して鑑賞する。
ざっくり言うと、二人のゲイ男性(田辺誠一と高橋和也)と一人の女性(片岡礼子)が新しい「家族」の可能性をさぐるという映画。LGBTという語が一般的になってきた今日、もう一度注目を集めてもいい秀作。個人的には片岡礼子様の映画であることに尽きるが、なかなかの存在感である。他の出演者を含めてさすがに若い。
オーディオコメンタリーは撮影の裏話などが満載だが、印象に残ったのは、フランスでは田辺に歪んだ思いを寄せるつぐみがプレゼントのネクタイを選んでいる場面がポスターに採用されて、監督が意外に思ったというエピソード。
フランス版DVDのジャケットがあったので貼っておくが、こんな感じだったのだろうか。ゲイの男に恋する思い込みの激しいメンヘラ女。いまのままでも十分怖いのだが、作品のなかでもう少しフォーカスしてもよかったかもしれない。
余談だが、iTunes Storeで映画を買うとDVDなどの保管場所が不要になるので、これから買うならコレかなとも思う。しかし字幕版しか選べなかったり、英語字幕がないなどの制限があるし、今回のようなオーディオコメンタリーも付いていないとなると魅力半減だなと思ってしまう。まだまだ円盤の生き残る余地はあるようだ。