新文芸坐で開催中の《追悼上映 鬼才 鈴木則文 ~下品こそ、この世の花~》で、JAC(ジャパンアクションクラブ)が製作に協力している、コミックを実写化した映画を見ました。こうした機会でないとスクリーンで見る機会がない作品です。残念ながらDVDも発売されていないようです。次の2本立てでした。
- 伊賀野カバ丸 (1983年)
- コータローまかりとおる! (1984年)
いずれの作品も黒崎輝が主演で、われら千葉真一と真田広之も出演しています。2本とも無駄に本格的なアクションシーンが見どころです。
伊賀野カバ丸 (1983年)
原作は、『別冊マーガレット』に連載されていた亜月裕の同名コミック。主人公が焼きそば好きという設定がとても懐かしい。
ヒロインは、フェロモンを全開する前のアイドル時代の武田久美子。演技はアレですが、さすがにカワイイです。他には、後に『宇宙刑事シャイダー』のアニー役で注目を集める森永奈緒美にも注目です。この映画ではあまり目立ったいませんが、彼女のセーラー服姿をスクリーンで見られるのは貴重。パンチラアクションでも見せてくれたら最高だったのに……。
映画の終盤で、黒崎輝と高木淳也がスタント対決で雌雄を決することになります。高所からのジャンプ、乗馬、車に飛びついてのロデオなど、本格的なアクションを見せてくれませすが、なぜか大食い競争が混じっていて場内の笑いを誘います。楽しい映画です。
コータローまかりとおる! (1984年)
原作は、『週刊少年マガジン』の連載されていた、蛭田達也による同名コミック。原作者がさりげなく出演しています。
舞台が巨大の学園という設定で、神戸のポートアイランドがロケ地として使われてたそうです。ポートアイランド全体が学園とはスケールがでかい。そのロケ地を活かして、主人公・コータローの長髪にかけられた懸賞金を狙う学生たちが大きなハサミを持って踊るという謎のシーンが印象的です。
この映画の最大のみどころは、天光寺輝彦を演じるためにスキンヘッドにした大葉健二でしょう。「宇宙刑事ギャバン」を演じた役者です。スキンヘッドが、びっくりするほど似合ってます。のちにタランティーノの『キル・ビル』で、スキンヘッドになってハリウッド・デビューするとは誰が想像したでしょう。
ほかには、コータローが空手道場でコミカルな百人組手を演じるところも見逃せません。出演者の身体能力の高さが活かされていて、楽しいアクションシーンに仕上がっています。