退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

アンディー・ウォーホール展@森美術館

六本木の森美術館で「アンディー・ウォーホール展:永遠の15分』を観てきました。アンディ・ウォーホル(1928-1987)は、米国に生まれ、消費社会と大衆文化の時代を背景に活躍した、20世紀後半を代表するアーティストです。今回の回顧展はアジア巡回展の最後にあたり、森美術館の10周年記念展でもあります。

今回の展覧会のポスターに使われている《マリリン・モンロー》の他、《キャンベル・スープ》、《毛沢東》などウォーホールの代表作に加えて、美術本では体験できない展示会ならではの見どころも満載でした。

まず注目したいのは、アンダーグランド・カルチャーの拠点であったニューヨークにあった「シルバーファクトリー」を実物大で再現した空間です。当時のファクトリー内部の記録写真をCG合成して壁紙にしたものです。《ブリロの箱》も再現されています。

そして出口近く設置された、ウォーホールの実験的な映像作品のいくつかをエンドレスに投影する空間もこの展示会の目玉でしょう。いわゆるビデオ・インスタレーションですが、なかなかできない体験です。彼がこうした展示方法を想定していたのか気になるところです。

また日本向けの展示としては、坂本龍一の注文肖像画(若い!)や、ウォーホール本人が出演したTDKのビデオテープのテレビCM(ベータテープあり!)にノスタルジーを感じます。日本の雑誌や浮世絵の資料などが収納されていたウォーホールのタイムボックスも興味深い。

ちなみに音声ガイドを借りてみたところ、普通のナレーションの他に菊地凛子の声が収録されていてウォーホールについて語っています。この人選の理由は分かりませんが、もっとウンチクを語れる人がいるのでないかと……。

この展示会は5月6日まで。会期終了が迫っていますが、この連休を利用して足を運んではいかがでしょう。ウォーホールを特集した『美術手帖』(2014年3月号)で予習するのもオススメです。

美術手帖 2014年 03月号 [雑誌]

美術手帖 2014年 03月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 美術出版社
  • 発売日: 2014/02/17
  • メディア: 雑誌

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