大英博物館「春画」展を特集した『芸術新潮』(2013年12月号)を入手しました。近所の書店では雑誌にビニールがかけられていて、「え、天下の『芸術新潮」をビニ本扱いかよ」と思いましたが、内容をみれば直接的な性描写も多いので残念ながらやむを得なかったのかもしれません。
英国の展示会のタイトルは、"Spring picture"ではなく、"Shunga: sex and pleasure in Japanese art"、つまり「Shunga」展としているのがおもしろい。特集記事では中世から近代まで網羅した史上最大の春画展の見どころを紹介していて読み応えがあります。さすがに電車のなかでは広げられませんが……。
また興味深かったのが、展楽会の実務者の対談のなかで語られた「Shunga」展の日本巡回の行方です。日本への巡回は当初からの目標だったが、日本側の受け入れ会場が決まらないとのこと。会場もスポンサーも現場レベルでは春画に対する理解を得られるが、話が上層部に上がっていくと抵抗が強くうまくいかないようです。
思い出すのは物議をかもした『会田誠展:天才ででごめんなさい』(2012-2013)で一部の展示をR18にした森美術館の対応です。今回の大英博物館の対応は16歳未満の入場者は成人同伴というルールでしたが、現場でのかなり緩かったとのことです。文化の成熟度合いの違いなのか、大人の対応というべきでしょうか。
いっその事、Shungaをクールジャパン戦略の一環として海外に敷衍して、外圧で日本の空気を変えるしかないかも。