先日、シアターN渋谷で「戦場でワルツを」(2008年、アリ・フォルマン)を観る。上映館が少なかったこともあり機会を逃していたが、ようやく観ることができた。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/05/12
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アニメーションによるドキュメンタリー映画。自分たちが従軍した82年のイスラエル軍のレバノン侵攻の後遺症で記憶を失い悪夢に悩まされる主人公が、世界中に散らばる戦友たちを訪ねて取材することで、失った記憶そして真実と向き合う。監督に実体験に基づいているとのこと。
映像作品としてはすばらしい。ポップアート調の画が動くアニメは斬新だし、音楽とのマッチングもすごくいい。アニメファンは一見の価値はある。
ただしパレスチナ問題をイスラエル側からの視点だけで描いているのは不満が残る。さらに言えば、一兵士の立場に留まらずイスラエルの一般市民が「サブラ・シャティーラ事件」まで引き起こしたパレスチナ問題全般をどう考えているのかというところまで言及してほしかった。
まあ物語の背景を知らないと、このドキュメンタリーが何を描きたいのか分からないだろから、十分予習してから見てほしい。こうした敷居の高さのせいで、上映館も少なかっただろうが。でもお金を払って観てほしい作品である。
余談だが、シアターN渋谷はスクリーンが低い位置に設置されているので字幕が見づらい。ヘブライ語(?)中心なので字幕なしというわけにもいかず、結構つらかった。