- 作者: 武田一顯
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/11/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ポッドキャスティングなどで聴いているディキャッチなどのTBSラジオの番組のなかで、的確な政治解説を披露している武田一顯記者の本。ラジオで宣伝されていたのので手にとってみた。
2008年9月の福田総理の辞任から、衆院選での民主党の圧勝を経て、鳩山政権が成立するまでの400日間を追ったドキュメンタリー。現場取材にもとづく筆致は臨場感があり、読みごたえがある。意外に読みやすいのも好印象。全般として民主党寄りかなという感じはする。
巻末に小沢一郎の単独インタビューがある。インタビューを行ったのは、衆議院選挙前であり、そこでは選挙後のことは語らないとしているものの、権力を手中にしたあと、小沢がどんな社会を目指しているのかやはり見えてこない。明治維新に喩えたり歴史に通暁していることを示しているが、明確なビジョンが得られないのは残念。
この本の出版後、石川知裕議員の逮捕があり、「小沢一郎 vs. 検察」の戦いが激化している。あとがきで、小沢をトウ小平(とうしょうへい; Deng Xiaoping)と並べて、失脚後、何度も復活を遂げているとしているが、この「政治とカネ」の問題から見事復活できるのだろうか。夏の参院選が迫ってくる。
あと、政治イベントを時系列で俯瞰するために、400日間をまとめた簡単な年表があればよかったなと思う。