先日、新文芸坐で「華麗なる一族」(1974年、山本薩夫)を観た。「沈まぬ太陽」公開記念の山崎豊子特集。211分におよぶ超大作。一本立て上映。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2004/10/29
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金融再編を題材とした、社会派エンターテーメント大作。2007年に放送されたテレビドラマが、お子様向けだったのに対し、本作品はとても濃く重厚な仕上がり。くどいと言ってもいいほど。
まずは佐分利信の存在が大きい。他にも、仲代達矢、滝沢修、西村晃、小沢栄太郎、神山繁、金田龍之介、平田昭彦、中村伸郎といった錚々たる豪華出演陣が、クセのある政治家、財界人などを演じていて見どころが多い。
この映画の最大の見せ場は佐分利信、京マチ子、月丘夢路の3Pである、というのは言いすぎだが、新興財閥である万俵家の異常さの象徴するシーンとして印象深い。それと同時に新興財閥、つまり成り上がり者の素性の悪さや寂しさも感じさせる重要なプロットである。
金融再編といえば、この映画では都市銀行同士の初の合併が描かれているが、先見の明がある。私の利用している銀行などは、合併しすぎて正確な名称がすぐに思い出せないぐらいだ。なんとかしてほしい。