シネマヴェーラ渋谷で映画「結婚相談」(1965年、中平康)を観る。主演の芦川いづみが美しい。
ソフト化されていないマイナーな作品。「妄執、異形の人々IV」の一本なのだが、意外にマトモな映画。山で遭難して白痴になった男の相手するシーンでの豪雨と雷の演出がちょっとソレらしいか。芦川が清純派からの脱皮は図ったとされる作品だが、軽く入浴シーンがある程度。
(追記)DVDが発売されました。
それにしても今日は晩婚化が叫ばれて久しいが、当時は30歳を越えて未婚だと人生終了だったのだろうか。当時の婚活はすごいなぁ。でも芦川いづみのような美人が結婚できないとか現実にはなさそうではある。
ストーリー展開が突飛だけど、まあ普通に楽しめる。ラストが明るく終わるのは日活らしいか。あらすじはこんな感じ。
婚期を逃して30歳となった芦川いづみは、焦りを感じ結婚相談所を訪ねる。さっそく紹介された初老の男と寝るが、その男には妻子があった。相談所が実は売春組織のカモフラージュであることを知った芦川は自暴自棄になり、コールガールとして相談所で働くことになる。その後、ある知人の男といい仲になるものの、彼が会社の公金を横領しているとわかり絶望する。それでも白痴男の夜伽で得た高価なかんざしを横領の埋め合わせにしようと知人のアパートに急ぐが、すでに知人は情婦と無理心中した後だった。呆然とした彼女は交通事故にあい入院。その後、OL時代の親友のはからいで、妻を亡くしやもめとなったかつての上司と出会い笑顔を取り戻す。めでたし、めでたし。