新文芸坐の「京マチ子特集」で「痴人の愛」(1949年、木村恵吾)を鑑賞する。谷崎潤一郎の同名小説の映画化。
安田道代主演の増村保造版(1967年)の過剰演出を見てしまうと、どうしても本作はおとなしく思えてしまう。京マチ子のナオミは、安田道代より原作のイメージに近いが、「白痴美」と呼ぶには上品すぎるというか健康的にすぎる。また譲治役についても、増村版での小沢昭一の爆発ぶりはこれは違うだろうと思っていたが、本作の宇野重吉の演技は大人しくて無難にすぎる。
やはり何か物足りない。
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