録画したあったビデオから、TOKYO MX「松嶋×町山未公開映画を観るTV」で放送された「MAXED OUT」(2006)を観る。
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米国のカード地獄の実態を描くドキュメンタリー映画。日本では、カード発行を申し込むと当然審査があり、信用の低い人(つまり返済できそうもない人)は加入できない。ところが、この映画のなかでは、カード会社は、学生や低所得の人たちにもどんどんクレジッドーカードを発行する。この「返済できない人」こそが、カード会社の「カモ」なのである。一旦返済が滞ると遅延金や違約金などが発生して、負債が雪だるま式に膨らむというカラクリで、多大な利益を生むというわけだ。
しかも焦げ付いた債権はネットでオークションにかけられて、債権回収業者に売られるという恐ろしいシステムもある。さらにブッシュ大統領が破産法を改正したため、自己破産して負債を清算するのが難しくなり、永遠に、つまり死ぬまで、借金を返済し続けることになる、と伝えている。不幸にも、借金の取立てにあって自殺するなど不幸な結末に至った事例も報告される。
しかし観ていてどうも違和感がある。たしかにカード会社も社会的責任を十分に果たしていない点において、指弾されても仕方ないが、債務者本人が身の丈以上の借金することの方により問題があるように思う。確かに米国出張したときなど、同僚がビックリするほどの高級車に乗っていたりすることを体験したこともあるし、異常な消費性向を感じることは少なくない。このカード問題には自業自得という一面もあるのではないか。
まあ、こうした物質主義というか消費至上主義に支えられた外需に依存しているのが、日本経済であるいう側面も否定できないのだが。
映画の後、番組では「このカード問題は経済危機の原因のひとつとなった“サブプライムローン問題”へのほんの入口に過ぎなかった」と解説していたが、この映画も警鐘になりえなかったということらしい。米国人の業なのだろうか。