退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「英語が使える日本人」は育つのか?/(岩波ブックレット)

本書は、3人の著者が英語教育についてそれぞれ短い提言を示し、続いてそれを基に鼎談するという形式でまとめられている。

まず前書きで、文科省の「『英語を使える日本人』育成のための戦略構想」を徹底的に批判することで、肝心の「戦略構想」が大きな問題を抱えていることを示す。

本書の大きなテーマのひとつは、話題になっている「小学校英語」である。ざっと読んだところでは、筆者たちは小学校での英語教育に否定的なようだ。だたし、すぐには全国的に一斉に正式教科にならないので、教材などの自由度は高く、それぞれの現場で知恵を絞っているところもあるらしい。本書では広島市での取り組みが紹介されていて興味深い。

いろいろ情報を集めると専門家の多くは小学校での英語教育に批判的だと見受けるが、そのまま突撃してしまうのは、どういう構造になっているのだろう。それだけ「英語教育の変革」への期待が強いということかもしれないが、逆効果にならなければいいのだが。小学校英語で日本に先行している韓国の状況が芳しくないというのも気になる。