退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ヤング@ハート

新文芸坐で「ヤング@ハート」(2007年, スティーブン・ウォーカー)を観る。米・マサチューセッツ州の小さな町にある平均年齢80歳の老人で構成されるコーラスグループ「ヤング@ハート」に密着して、コンサート前のリハーサルやメンバーのプライベートを追う音楽ドキュメンタリ。

ヤング@ハート [DVD]

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洋楽にあまりなじみがない私でも、本作品を秀逸な音楽ドキュメンタリーとして楽しめた。リハーサルの途中でメンバーが急死する試練を迎えるが、その死をメンバーや家族たちが受け入れていく様子には、人生を考えさせられるものがある。ラストのコンサートで、これまで練習してきた曲が次々に演奏されるが、そのひとつひとつがすばらしい。とくに、 “YES WE CAN CAN” (アラン・トゥーサン)がよかった。

メンバーやコンサートの観客にさまざまな人種で構成され、また老人たちは経済的には恵まれているように見受けられた。東海岸の小さな町のコミュニティのすばらしさも映画に出ていた。古き良きアメリカの残滓が感じられる。