最近、コーパスの成果を取り入れた辞書や単語帳を見かけるので、いったいコーパスとは何だろうと思っていたところ、図書館でこの本を見つけたので読んでみた。
コーパスとは、コンピュータ処理である言語テキストのデータベースを指し、corpus と書く。この語が、corpse(死骸)と同じ語源を持つことは知らなかった。どちらも、ラテン語に由来して、bodyという意味らしい。
この本では、語の使用頻度、コロケーション、基本語の使い分けなどを、コーパスを利用しながら説明している。それぞれは「なるほどね」とは思うものの実際どのように、自身の学習に活用すればいいのか。ま、専門家がコーパスの研究成果を咀嚼して辞書や事典にまとめて、それを利用させてもらえばいいようにも感じた。
とはいうものの、実際にコーパスに直接触れてみたいとも思う。そういった人のために、巻末で「小学館コーパスネットワーク」というサービスを紹介している。これには有料のサービスも含まれているが、一度実際に操作してみるとおもしろいかもしれない。
コーパスに類似(?)した試みとしては、『翻訳に役立つGoogle活用テクニック』といった本も出ている。コーパスのデータベースは、特定の目的に沿って収集されているはずだから、素性がいいのだろうけど、インターネットから広く集めた Google のデータに比べてやはり優れているのだろうか。その得失についてはちょっと気になるところではある。
投野由紀夫の コーパス超入門コーパスでわかる英語学習のコツ (コーパスの本)
- 作者: 投野由紀夫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 単行本
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