先日の「深海獣レイゴー祭り」に触発されて、一部で評判のおバカ映画「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」(2008年, 河崎実)を渋谷で観た。この映画は、主に宇宙怪獣ギララが暴れる特撮と洞爺湖サミットのパロディの2つの側面がある。
特撮は低予算ながら(タケ魔人はアレだけど…)、まあまあの仕上がりで楽しめる。一方、サミットの部分は、いまひとつ突き抜けていない。ザ・ニュースペーパーの芸は冴えているものの、他国首脳陣は随分と見劣りする。サルコジはともかく、ブッシュやプーチンが本物に全然似てないのは残念だし、彼らの演技力にもやや難がある。脚本も北朝鮮を取り上げて風刺しているが、欧米諸国もシニカルに斬って捨ててほしかった。政治パロディとしての洗練さに欠けるのは惜しい。
あと日本の首相が、福田ではなく安倍なのは製作時期の問題だろうか。映画のなかだけでも、サミットに参加できて安倍ちゃんも本望でしょう。きっと。
出演者としては東京スポーツ記者に扮する加藤夏希が注目だ。でも、彼女をもっと綺麗に撮ってほしかったな。スタイリストは何やってんの。素材はいいはずなのに。それにしても、彼女が踊る「ネチコマ踊り」が痛々しい。これだけなんでもありならば、何の脈絡なく、おヘソを出して「ナッキーパンチ!」と叫ぶぐらいやってほしかった。
また公開時期が遅れたのも不運と言えるだろう。サミット会期内であればまた違った評価だったかもしれない。いまや世間は、すっかり北京オリンピック・モードだし。ま、気楽に怪獣映画を楽しみたい方はどうぞ。
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