退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『決戦!南海の大怪獣』(1970)

金曜日に銀座シネパトスで「決戦!南海の大怪獣」(本多猪四郎, 1970年)を鑑賞。この夏、一部で注目を集めた特集上映「ギララの復讐(または復習の夏休み)」のなかの最後の一本。

東宝にとっても、いわゆる怪獣ブームのなかでの最後の怪獣映画である。予算の制約が厳しいため、南海が舞台となったらしい。そのため都市を破壊したり、自衛隊が出動したりするシーンがない。つまらん。怪獣は三体登場するが、名前はそれぞれ、ゲゾラ、ガニメ、カメーバという具合にヤル気が感じられない。ストーリーも、正直いってわけがわからない。ただし、怪獣の造形はみるべきものがあり、特にカメをモチーフにした「カメーバ」は、ガメラに比肩できるほどだ。なかなかカッコがよろしい。首が伸び縮みするあたりが素敵だ。

ま、くれぐれも「南海の大決闘」と間違えないように。

上映前に恒例の河崎実監督と池田憲章氏によるトークショーがあった。都合3回通ったが、いよいよ最終回である。河崎実監督は、ベネチア映画祭から凱旋して上機嫌の様子。イタリアでの作品の評判も上々だったそうで慶賀の至りです。あとトークショーで、河崎監督は実相寺昭雄の弟子だったと聞いてなるほどと思いました。

また、この日は観客が多くて驚いた。入場するのに列をつくるとは思わなかった。徐々に盛り上がってきたかな。最後だったけど。

こうした上映企画を来年の夏にでも再度やってほしいな。怪獣・特撮映画には夏が似合うと思うから。それに、スクリーンで観る怪獣映画はいいものだよ。やっぱり。