退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ミッドウェイ』(1976) / ハリウッド大作なのに流用映像ばっかり…

Huluで映画『ミッドウェイ』(1976年、監督:ジャック・スマイト)を見ました。太平洋戦争の転機となったミッドウェイ海戦を日米双方から描いた戦争映画です。

ミッドウェイ 特別版 [DVD]

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米軍側のキャストは、チャールトン・ヘストンヘンリー・フォンダらが起用され大変豪華で、私の好きなジェームズ・コバーンも出演してます。大物俳優の共演は見応えがあります。

一方の日本軍は、山本五十六三船敏郎が演じている他は日系人の俳優が演じていて、セリフはすべて英語になっています。なんと三船のセリフは英語でアフレコされています。天下のミフネになんということを……。アメリカ人は字幕を読むの嫌いらしいから仕方ないのだろうか。日本人からみると、かなりいい加減です。

いい加減と言えば、この映画の戦闘シーンはほとんが他の映画からの流用なのにもびっくりです。大物俳優のギャラで予算を使い切ったのかもしれませんね。とくにヒドいのは連合艦隊旗艦・戦艦大和が登場しますが、素人目にも分かるほど外観がまったく姿がちがう。調べてみると映画『トラ・トラ・トラ! 』(1970年)の長門の映像の使い回しのようです。

さらに東宝の古い戦争映画の使いまわしもありましたし、戦闘シーンに関してはまるでやる気が感じられません。公開当時、映画『トラ・トラ・トラ! 』のクオリティでミッドウェイ海戦を見たかったと思った人は少なくないでしょう。

昔の映画なのであれこれ言っても仕方ないのですが、せめてハワイのキャンプに強制収容されたヒロイン的な存在の日系人女性を、日本人女優が演じていれば多少は評価が変わったかもしれません。ちょっと残念な戦争映画でした。