政府は6月21日、マイナンバー関連のトラブルが相次いでいる問題を受け、デジタル庁や総務、厚生労働両省など関係省庁でつくる「マイナンバー情報総点検本部」を設置し、首相官邸で初会合を開いた。
マイナンバー関連では、健康保険証と一体化した「マイナ保険証」に別人の情報が誤ってひも付けられた。ほかにも、預貯金口座にひも付ける「公金受取口座」で別人を誤登録するなど、トラブルが相次いでいる。
いちばんの問題は、マイナカードは完全に国民の信頼を失ったことだ。ある地方ではマイナカードの返納されれると騒ぎになっている。行政DXのためにはマイナンバーを活用することが欠かせないのは間違いないが、初手からから躓いてしまった。
そこで「総点検」となったわけだが、膨大なマイナンバーについて具体的にどのようにして点検するのか明らかになっていない。
下の東京新聞の記事では、「マイナポータル」で情報を取得できる年金や雇用保険、生活保護など29項目が点検の対象となるらしい。発行されたマイナカードの数を考えると膨大な作業量に目がくらむ思いがする。
いったい具体的に誰が点検するのか、どの程度の費用が見込まれているのか明示されず岸田政権のアリバイとも思える「総点検」に不安は募るばかりだ。まあ、どうせ派遣会社からスタッフを大量に集めて実際の作業を丸投げことになるのだろう。やれやれ。
また「マイナンバー情報総点検本部」のトップが河野太郎デジタル相というのも腑に落ちない。これだけのトラブルを引き起こしておいて、まだ責任者の座に居座っているのは、なかなかの厚顔無恥ぶりである。昔ならば切腹を命じられてもおかしっくない。少なくとも「総点検」はトラブルの元凶である河野太郎デジタル相ではなく、他の然るべき人がその任に当たるべきだろう。
このグダグダを見て思い出すのは、「消えた年金問題」である。そのときの教訓がまったく活かされていないことに呆れるばかりである。もっと慎重に物事を進めるいう知恵はなかったのだろうか。
日本はもうダメかもしれんね。