フジテレビで土曜日深夜に毎週4話ずつ再放送されていた昼ドラ『牡丹と薔薇』(全60話)が最終回を迎えた。このドラマは2004年に、東海テレビの制作により、フジテレビ系列で放送された昼ドラマ。脚本は中島丈博。
運命に翻弄され苛酷な人生を歩む姉妹・牡丹(ぼたん・真世/大河内奈々子)と薔薇(香世/小沢真珠)の狂気の物語。ドロドロ愛憎劇を極めた作品として知られていて、放送当時は社会現象を巻き起こしたという、今はなき昼ドラの金字塔。
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ストーリーは簡単に紹介できないほどに激しく紆余曲折をたどるが、姉妹の愛憎劇がすごい。妹・香世は黒人たちを雇って姉を襲わせたり、姉・ほたんは資産家のパトロン(峰岸徹)の愛人なのにもかかわらず妹の夫・由岐雄(西村和彦)と不倫関係となり、娘・麗香を出産するなど混迷を極める。
最終週は姉が重度の腎不全を患うが、妹の腎臓を移植して一命をとりとめる一方、妹は由岐雄の暴力により失明するという大波乱。お互いに依存を強めるなか、パトロンは「5人いっしょに暮せばいい」と器の大きなところをみせる。
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姉妹ふたりを信州まで迎えにいった由岐雄と麗香は、妹だけでなく、姉も失明していたという現実を見せられる。失明の原因は不明だが自傷行為によるものだと推定された。ラストは信州で見えるはずのない夕焼けをふたりで見つめるなか、二人で暮らしていく決意を固める……。
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ざっくりラストはこのような終わり方だったが、娘はどうなるのだろうと思わずにはいられない。下は「牡丹と薔薇」の由来となった日本画だが、実によくできている。ネクタイピンやネックレスも劇中でいわくつきのシロモノ。
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それにしても、やはり中島丈博は天才。これだけ暴れまわっても脚本が破綻しないのはさすがというべきか。今期の朝ドラ『ちむどんどん』のスタッフも見習ってほしい。