退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

杉良太郎主演テレビ時代劇「用心棒日月抄」を見る

1989年に日本テレビ系列「水曜グランドロマン」枠で放送された、杉良太郎主演テレビ時代劇「用心棒日月抄」を鑑賞。原作は藤沢周平の初期の代表作と言われる同名時代小説。続編も書かれてシリーズ化されている。

主人公・青江又八郎(杉良太郎)は、東北のとある藩でお家騒動に巻き込まれて、心ならずも許嫁・由亀(浜田朱里)の父親を斬ってしまう。青江は脱藩して江戸で浪人暮らしを始め、長屋に住むことになる。腕に覚えがある青江は、口入れ屋の吉蔵(ハナ肇)から用心棒などの仕事を紹介してもらい、生計を立てていた。ある日、吉良邸の用心棒の仕事が舞い込み、用心棒仲間の細谷源太夫竜雷太)とともにその仕事を受けるが……。

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杉良太郎竜雷太/「用心棒日月抄」から

藤沢周平の「用心棒日月抄」は、1992年に村上弘明主演でNHK「金曜時代劇」枠で『腕に覚えあり」というタイトルでドラマ化されている。好評だったことからシリーズ化されて『腕におぼえあり2』『腕におぼえあり3』も制作された。ちないにバディの細谷源太夫役は渡辺徹、許嫁の由亀は清水美砂が演じている。

村上版の青江は朴訥で女性にもウブだったのに対し、杉版の青江は女性にモテモテで佳那晃子や佳那晃子と男女関係になるなどキャラクターがかなりちがうが、そこは杉良太郎らしくて面白い。杉良太郎の立ち回りは美しく、殺陣の美しさを堪能できるのは美点。

単発ドラマなのでストーリーが駆け足なのは仕方ないがなかなかよくできている。杉良太郎もいいが、個人的にはかつてアイドルとして推していた浜田朱里が出演しているのがうれしい。エンドロールでは一件落着したあと、杉と浜田が睦まじく暮らしている様子が映しだされるのもちょっといい。

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浜田朱里/「用心棒日月抄」から

また青江に関わったばかりに斬られてしまう夜鷹を中村れい子が演じているのも個人的にはポイントが高い。杉との濃厚な濡れ場を期待するが肩透かしを食う。当時ならテレビドラマで脱いでも問題なかったのに……。

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中村れい子/「用心棒日月抄」から

オレ的には女優たちに見どころの多いテレビ時代劇だった。オススメです。