退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『幻魔大戦』(1983) / キース・エマーソンの音楽がいいね

平井和正原作、石森章太郎作画のマンガ版、さらに平井和正自身の手で執筆された大長編小説版の同題SF作品を原作として、角川映画の長編アニメーション第1作として製作・公開された作品。監督はりんたろう

幻魔大戦 [DVD]

幻魔大戦 [DVD]

  • 発売日: 2003/01/01
  • メディア: DVD

宇宙の果てから、あらゆる生命や文明を滅ぼそうとする者、“幻魔”が、地球が存在する銀河系へとついに押し寄せてくることを知らされたプリンセス・ルナ。彼女はサイボーグ戦士ベガとともに、日本の高校生、東丈ら世界に散らばるサイオニクス戦士たちを集結させ、宇宙を守るために幻魔との戦いに挑む……。


幻魔大戦_予告篇

当時、石ノ森章太郎の画を期待して見に行ったが、大友克洋がキャラクタデザインをしていて全然ちがうキャラクタだったので違和感を感じた記憶がある。平井和正の小説はは壮大すぎてついていけなかったが、アニメとしては上手くまとまっている。もっとも平井は映画に対して不満を鳴らしていたいう話をのちに聞いたが……。

いま見ると、幻魔による破壊がテキトーな「止め絵」を揺らしただけで済ますという手抜き作画で驚いた。いやしくも劇場版アニメーション大作がこれでいいのだろうか。まあ予算がなかったのだろうが、作画上のいちばんは見せ場は地球の文明が破壊されるシーンだろう。いまの技術でリメイクしてほしい。

それでもエスパーたちの発するオーラの映像胃表現などのエフェクトは素晴らしく見応えがある。これら金田伊功の仕事だろうか。さすがです。また意外に覚えていたのはキース・エマーソンのシンセを使った音楽。これが実に素晴らしいく、本作の白眉であろう。

冷静に考えれば、宇宙の存亡と掛けた大戦のわりにショボいし、これで本当にいいのと思わなくもないが、角川映画らしい作品ではある。角川アイドルの原田知世が声優として出演してる点も注目。