新型コロナウイルス対策などの補正予算案を審議する参院予算員会で、29日、立憲民主党の蓮舫参院議員が政府の対策についてモーレツに追求した。よく見る画である。
その国会の場で、「生活が成り立たない、学校やめたら高卒になる、就職どうなるか、奨学金返せない、その不安の声にどうして応えられないんですか」などと述べたことが波紋を呼んだ。
とくに「高卒になる」という発言に物議を醸すことになり、これは高卒差別ではないか、っ失礼ではないかと炎上した。
最初文字で読んでいたので、どのようなトーンでの発言だったのかわからなかったが、ネットにそこだけ切り取った動画は拡散されていた。
蓮舫「このままでは新型コロナで大学を辞めないといけない学生が出る。学校を辞めたら高卒になる!就職はどうなる!」
— Dappi (@dappi2019) 2020年4月29日
しれっと高卒を馬鹿にする蓮舫#kokkai pic.twitter.com/MFdii2JirV
発言の趣旨は、コロナ禍で経済的困窮している現役大学生を支援するべきだ、というもので、これに賛同する人は多いだろう。
しかし、いつものように、キーキーとうるさく不快。もっと穏やかに質問できないのかと思ったと同時に、言い回しもまずいなと感じた。わざわざ「高卒」という語を強調する必要もあるまい。
蓮舫氏は内部生としてエスカレーターで青山学院大学法学部に上がり、バブル期にはクラリオンガールとして周りからちやほやされた人物である。そんなバックグラウンドがあれば「高卒なんてとんでもない」とぐらい思っていても仕方ないなと思わせるフシがある。
まあ高卒に対しては、属しているコミュニティーによっても受け取りがちがうのではないか、と思っていると面白い記事を見つけた。「全国の都道府県別の大学進学率を見てみると、東京の73%と岩手の38%では約2倍の格差が付いている」という内容だ。
東京都の大学進学率がおしなべて8割近いことを考えると、都心に勤務するホワイトカラーの多いコミュニティーでは、もっと進学率が高いだろうと予想できる。ここまで猫も杓子も大学に行く必要があるのかという疑問はあるが、現実問題としてこの現状では「高卒になる」と懸念を抱く気持ちもわからなくもない。
それでも高卒だと人生終了だと思わせるような発言は政治家として明らかにマズい。さすがに本人もこれはマズいと思ったのか、炎上後、蓮舫氏はツイッターで謝罪した。
私の言葉が過ぎました。
— 蓮 舫 ・ 立 憲 民 主 党 ( り っ け ん ) (@renho_sha) 2020年4月30日
本当に申し訳ありません。
高卒で頑張っておられる方々に心からお詫びします。
目指す目的のため奨学金で大学に入った学生が、バイトがなくなり金銭的に退学しか選択肢がない場合の人生再設計の前の支援を求めました。
使う言葉が全く駄目です。申し訳ありませんでした。 pic.twitter.com/xNNXLHTxA3
「私の言葉が過ぎました。本当に申し訳ありません。高卒で頑張っておられる方々に心からお詫びします」と謝罪しているのか、煽っているのかわからないコメントだが、一度炎上するとどうしようもないのがネット社会かもしれない。
この調子では、野党が自民党の代わりに政権に再び就くことはないだろう。政権交代は夢のまた夢に思えてくる。
この非常事態に安倍政権だったのは日本の悲劇であるが、野党がふがいなく代替の政権基盤がないのはそれ以上の悲劇といえるだろう。