日本を訪れていたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、26日、バチカンへの帰国の途につきました。ローマ教皇の訪日は38年ぶりでした。
もともとカトリック人口が極端に少ない日本でも、マスコミは教皇の動向を大きく伝えていました。そのなかでお気づきの人もいたとおもいますが、これまでローマ教皇を「法王」と呼称していたマスコミ各社が、今回の来日に合わせて「教皇」と呼ぶようなりました。
教皇なのか法王なのかという問題は、以前より「表記の揺れ」の事例としてよく知られています。カトリック中央協議会でも「よくある質問」にこの問題の経緯を載せています。
日本とバチカン(ローマ法王庁、つまりローマ教皇庁)が外交関係を樹立した当時の定訳は「法王」だったため、ローマ教皇庁がその名称で日本政府に申請。そのまま「法王庁大使館」になりました。
しかし今回のフランシス教皇の訪日に合わせて、日本政府が「教皇」という呼称を使用すると発表しました。日本政府の対応に合わせて、マスコミ各社も「教皇」と呼ぶようになりました。
この政府発表によれば、呼称変更の理由は以下のとおり。
- カトリック関係者の方々を始め,一般に「教皇」という呼称を用いる例が実は非常に多く見られるということ
- 日本政府の一般的な呼称として「教皇」を使用する場合,バチカン側として問題ないのかということについて問題ないという確認ができましたこと
裏でカトリック関係者の働きかけがあったことは想像に難くありません。どのようなロビー活動が行われたのか興味のあるところです。
ラジオである大学教員が「最近は教皇と法王が別の人だと思っている学生がいる」と言っていました、大学生にもなってそれはダメだろうと思いました。名誉のためのどこの大学かは伏せておきましょう。
今後、呼称が「教皇」に統一されることにより、このような混乱はなくなっていくでしょう。すっきりしました。