東京国立博物館 平成館で開催中の特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」を見てきました。会期はまだまだ残っていますが、早めに出かけたのは展示替えの都合です。見たい展示品がある方は事前にチェックしてから出かけましょう。
東寺は平安京の唯一の遺構であり世界遺産にも登録されています。東寺は平安遷都とともに建立された官寺です。東寺というぐらいですから、かつては羅城門を挟んで西寺も存在していました。嵯峨天皇は、唐で密教を学んで帰国した空海(弘法大師)に東寺を下賜し、日本初の密教寺院となりました。弘法大師は真言密教思想をビジュアル化するために、曼荼羅を通常の二次元ではなく仏像を用いて立体的に表現しようとしました。これが本展のテーマである仏像曼荼羅です。こうしたワケで東寺には多数の仏像があるのです。
公式サイトによれば、みどころは以下の3つ。
- 東寺講堂から15体の仏像が集結。史上最大規模の仏像曼荼羅が出現。
- 後七日御修法(ごしちにちみしほ)の道場を再現。真言密教の最高峰とされる至宝を一堂に。
- 貴重な両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)を公開。東寺のマンダラワールドを堪能する。
なかでも圧倒的な迫力があるのは仏像曼荼羅。順路の最後にある大きなスペースに仏像が一堂に会する展示には圧倒されます。間違いなくここがメインディッシュです。このスペースの一角に鎮座している国宝「帝釈天騎象像」は、なんと撮影可という破格の大盤振る舞い。この仏像をチョイスしたセンスはさすがです。かっこいいですね。観客が周りを取り囲んでシャッターを切っていました。なお撮影できるのは会場でここだけです。
音声ガイドのナビゲーターは佐々木蔵之介さんでした。美術展ではなるべく音声ガイドを利用するようにしていますが、なぜこの人が起用されたのかわからない場合も多々あります。しかし今回は洛南高校出身で東寺境内を通って通学していたという佐々木さんは納得です。