上野で開催中の「聖地チベット−ポタラ宮と天空の至宝−」に行ってきました。「よくこれだけのものを持ってきたな」というほどの充実した展覧会でした。
正直いうとチベットには漠然としてイメージしか持っていませんが、多くの実物を目の前にすると、やはり一気にチベット文化に触れた気分になれます。
ただ政治的配慮からなのか、チペットの近代史やダライ・ラマ関連の解説が少なく、現代のチベットの生活や文化について、もっと知りたいという欲求は残りました。
見どころはたくさんありますが、印象に残ったのはチベット密教美術の精華を伝える仏像です。日本の仏像とは大きく異なる造形に大いに惹かれました。
とくに「ヤマーンタカ父母仏立像」は、いくつもの顔や手足を持つ仏像で、夫婦が抱き合っている姿はインパクト大です。他にも男女が抱き合っている仏像があり、ちょっとエロイ感じすらします。また多くの仏像がトルコ石や蓋骨でより装飾されていのが特徴的でした。
ほかには、3メートル以上もある長いラッパのような「ドゥンチェン」というチベットホルンの展示がありました。この形から重低音を発すると想像しますが、実際にどんな音がするのかでしょうか。音声解説機では、この楽器の音色を聞けるらしいです。
この展覧会は政治的に取り上げられることも多いようですが、ひとまずそれは措いても見る価値は十分にあります。チペットに興味のある人は、その独自の文化に触れることのできる絶好の機会です。会期は1月11日まで。