退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「40th 石川ひとみアンソロジー」を聞いてみた

デビュー40周年を迎える石川ひとみの2枚組ベストアルバム。ジャケットはなかなかいいデザインです。Amazonのタイトルが間違っていますね(執筆時点)。

MEMORIAL40~石川ひとみベスト

MEMORIAL40~石川ひとみベスト

1978年のデビュー曲「右向け右」から、1986年発売のシングル「秘密の森」までの10年間のポニーキャニオン時代の楽曲をまとめたものです。23曲のシングルに自選の17曲を加えた40曲です。もうデビューから40年かと驚かされます。

時系列にDisc 1からDisc 2にわたり楽曲が収録されているわけではなく、Disc 1とDisc 2のそれぞれのディスクでリリース順に並んでいます。ちょっと不思議な曲順ですが、とくに説明がないようです。

曲別にコメントが付いているわけではありませんが、リーフレットには3ページにわたりインタビューが載っていて、当時の思い出を語りながら楽曲についてもコメントしています。B面やアルバムからの楽曲のなかには初めての曲もあり新鮮でした。まあ音源としては、CD-BOXが出ているのでマニアにとっては既出でしょうが……。

またリーフレットには直筆のメッセージが載っています。歌手人生のなかでいろいろあったことが伺えます。いまもライブで歌い続けているのとのこと。一度、生歌を聞いてみたいものです。

リーフレットといえば、早稲田大学の学祭でのキャンパスライブ(1982年)だと思われる写真載っているのも注目したいです。かわいいです。

一般的にアイドルの楽曲をリリース順に聞いていると、最初は拙くてだんだんと歌唱力が向上していくことが多いですが、彼女の場合はデビュー曲がかなり上手いのが印象的です。声質もユニークですぐに石川ひとみと判るのはいいですね。

しかし通して聞いてみると、楽曲は迷走を続けていた様子が感じられます。いろいろな楽曲を歌ったとインタビューで語っていますが、迷走と言ったほうがいいでしょう。イメージ戦略が明確ならば、もっと売れたのではないかなと……。

余談ですが、彼女最大のヒット曲「まちぶせ」(三木聖子のカヴァー曲)で、ラストの2度めリフレインで「胸の奥でずっと〜」で嗚咽しているところは聞きどころです。これは昔、深夜放送で近田春夫が指摘していたことですが、なぜかいまも覚えています。ぜひさがして聞いてみてください。

MEMORIAL40~石川ひとみベスト