退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ブレードランナー 2049』(2017) / 伝説のカルト映画の続編

近くのシネコンで『ブレードランナー 2049』(2017年、監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ)を鑑賞。伝説のカルト映画『ブレードランナー』(1982年)の続編。前作の監督・リドリー・スコットは製作総指揮を務めている。復習のため前作を見直して準備万端で映画館に向った。

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前作『ブレードランナー』から30年後、2049年のロサンゼルスが舞台。人間と人造人間レプリカントが共存している世界。ロサンゼルス警察のK( ライアン・ゴズリング)は、レプリカントながらブレードランナーとして、人間に反抗する旧型レプリカントを「解任」する任務についていた。ネタバレはしないが、主人公Kの出自が前作の登場人物デッカードハリソン・フォード)とレイチェル(ショーン・ヤング)とつながっていくとストーリーである。


BLADE RUNNER 2049 - Official Trailer

まず上映時間163分と長尺なのがいかん。「ちっとも長さを感じさせなかった」という長尺映画もあるが、この映画は途中で長いなあと感じてしまった。おそらくストーリーラインが一本で変化に乏しいこと、そして主人公Kの感情の起伏が見えないので感情移入しにくい、というのが理由かもしれない。

前作のオマージュを含む個々のシーンには見るべきものがあるし、SF大作としての風格は十分あるが、一本の映画としてはどうかと言われると言葉に困ってしまう。映画全体としては散漫な印象を受ける。

本作は、おそらく前作のような「伝説」になることはないだろうが、前作のリスペクトというか余韻を感じさせながらも、現代的な映像技術によりSF大作にまとめ上げた手腕は賞賛されるべきだろう。前作のファンは、映画のなかの時の流れを自分に重ねてみることもできるだろう。

まあ偉大すぎる作品の続編を撮るのは大変なプレッシャーだったろう。これだけのスケールで続編を見れただけでも感謝するべきかもしれない。

余談だがパッケージソフトになった後に、何度も見るといろいろ発見がありそうな予感もする。オーディオコメンタリー付きでじっくり見直したい作品ではある。