新文芸坐の《魅惑のシネマクラシックスVol.25 ワーナー・ブラザース シネマフェスティバル PART 3》という企画で、映画『ゲッタウェイ』(1974年、監督:サム・ペキンパー)を鑑賞。バイオレンス・アクション映画の巨匠サム・ペキンパー監督の代表作。スティーブ・マックイーン主演。
- 発売日: 2008/06/11
- メディア: Blu-ray
服役中のドク(スティーブ・マックイーン)は、ベニオン(ベン・ジョンソン)と裏取引して銀行強盗を条件にして出所。ドクは妻キャロル(アリ・マッグロー)とルディ(アル・レッティエリ)らと共に銀行強盗を成功させて大金を手にする。しかし計画が狂い、カーターとキャロルは裏切り者のルディ、警察、そしてベニヨンの弟(ジョン・ブライソン)の三者に追われることになる。
夫婦の逃避行を描く映画。この映画が他の作品より輝いて見えるのは、スティーブ・マックイーンと、後の妻となるアリ・マッグローの間にあった本物の愛が根底にあるからだろう。劇中の夫婦愛が再生されるあたりの演出も素晴らしい。
夫婦と言えば、ルディに脅迫されてスティーブ夫婦を追いかける獣医の夫婦がいい味だしている。女房を寝取られ最後は首を吊る獣医が涙を誘うが、追う夫婦と追われる夫婦の対比が面白い。
クライマックスのホテルでの銃撃戦はペキンパーらしい演出で楽しめるが、アムトラックの駅舎や列車のシーンやカーアクションなど全編でサービス満点で最後まで飽きずに見られる。見事無事にメキシコまで逃げ切るラストもよかった。
余談だが逃避行の途中でドクが銃砲店でショットガンを買うシーンがある。ファストフード店のように注文すると簡単に銃が出てきて店員が梱包してくれるのに驚いた。ラスベガスの銃乱射事件でアメリカの銃規制が話題なっているが、これがお国柄ということだろうか。
なお今回はDCP上映だった。キレイな画質を堪能できてよかった。古い日本映画のDCP化を推進してほしい。国が支援してもいいだろう。