退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】ボブ・ディラン『はじまりの日』(岩崎書店、2010年)

ボブ・ディランの楽曲「フォーエバー・ヤング 」(Forever Young)の絵本です。 この曲にポール・ロジャースがイラストを、そしてアーサー・ビナードが歌える日本語訳を付けています。

はじまりの日

はじまりの日

今年ノーベル文学賞を受賞して注目を集めたボブ・ディラン。私は世代もちがい熱烈なファンというわけではありませんが、さすがに「フォーエバー・ヤング」という曲は知っていました。この楽曲は1974年に発表されたアルバム「プラネット・ウェイヴズ」 (Planet Waves)に収録されていて、息子のジェイコブ・ディランのことを思いながら書かれたとされています。

プラネット・ウェイヴズ【Blu-spec CD】

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この曲には「いつまでも若く」という邦題がついています。オリジナルの歌詞に、May you stay forever youngというフレーズが繰り返し登場するので、直訳すれば「いつまでも若く」となるのしょうが、息子に対して「いつまでも若く」というのはちょっとおかしいですね。これをどう訳すのかが翻訳家の腕の見せどころです。ぜひ絵本を手にとって確認してください。

またイラストにはギミックが散りばめられています。イラストレーターによる簡単なノートを添えられているのでなるほどとイラストを確認しながら読み進めるのも一興です。

ボブ・ディランの曲を聞きながらこの絵本を眺めてみると楽しいですね。ほかにも1曲に注目してつくられた絵本があれば読んでみたいです。


Bob Dylan's "Forever Young"