退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015) / ディカプリオが悲願のアカデミー主演男優賞を獲った映画

早稲田松竹で映画『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015年、監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)を鑑賞。マイケル・パンクの小説『蘇った亡霊:ある復讐の物語』(The Revenant: A Novel of Revenge)の映画化。

アメリカの西部開拓時代の実在の罠猟師ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)の半生を描く。過酷なサバイバルの旅の物語であるとともに殺された息子の復讐譚でもある。

ヒュー・グラスが熊に襲われるシーンを何度か予告篇で見て、これはいったいどこの国でいつ頃の話だろうと思っていたが、本編を見てようやく「1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部」であることがわかった。

この映画は、ディカプリオが悲願のアカデミー主演男優賞を受賞したことで知られる。崖から落ちたり馬の内蔵を取り出して食するなどの過酷なサバイバル劇はなるほど唸らせられる。

しかしこの映画のいちばんの見どころは「撮影」であろう。鑑賞後、自然光で撮影にこだわったなどの情報を知ったが、とくに大自然の映像は理屈抜きで素晴らしい。ぜひ大きなスクリーンで見てほしい。

この映画はアメリカ人にとっていわゆる時代劇になるだろう。使用されている銃器が先込め式だったり、ネイティブ・アメリカンが跋扈してたりする時代背景はいまひとつピンとこないが、これは仕方ないだろう。アメリカ人が日本の時代劇を見てもよく分からないのと同じだ。もう少し周辺知識があればさらに楽しめるのかもしれない。


The Revenant | Official Trailer [HD] | 20th Century FOX

ちなみに原題のThe Revenantは聞かない語だと思ったが「帰ってきた人」という意味で、フランス語のrevenir「帰る」の現在分詞に語源を持つとのこと。なるほど。

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