高田馬場などに書店を展開している書店、芳林堂書店が2月26日に自己破産しました。
創業1948年の古参の書店でしたが、近年は読書離れやインターネットの普及、電子書籍の台頭から業績が落ち込んでいたとのこと。
そうしたなか、出版取次業者・太洋社が自主廃業に向けた準備に入ったことを発表し、芳林堂書店は取次ぎの変更を模索していたが未処理債務の問題もあり難航し、今回の事態に至ったようです。一種の連鎖倒産でしょう。
芳林堂書店と言えば、2003年に閉店した池袋本店によく行ったことを思い出します。その後、リブロ池袋店からジュンク堂を廻るようになって足が遠のいてしましました。そのリブロもいまはもうありません。
最近では早稲田松竹で映画を観るついでに高田馬場店に寄っていたのですが、なかなか尖った品揃えで思いがけない本との出会いがあったので、今回の倒産は残念です。1階がドン・キホーテになってからは、なんだか落ち着かないと思っていました。
書店運営は「書泉」に事業譲渡されるとのことですが、高田馬場店の品揃えはこれまで通りとはいかないでしょう。
いま芳林堂書店きてみたけど、
— あおまふ (@aomafu) 2016年2月26日
倒産しないんですね。安心した。 pic.twitter.com/HGBVr6L8ih
今回の倒産について調べていくなかで、つくば市の著名書店チェーン・有朋堂も閉店したことがわかりました。やはり太洋社廃業の余波のようです。
「あ、この写真はどこかで見たことがあるなぁ」と思ったら、かつてよく利用していた書店でした。いまは遠方に住んでいるので行くこともなくなりましたが、昔のままの外観の写真がなつかしい。
出版業界は冬の時代などと言われて久しいですが、いよいよ深刻な段階になってきたようです。かくいう私もリアル書店で本を買うことはぐっと減りました。
以前、書店経営について事業家のひとりが「自分で値付けできない商品なんか扱えないよ」と言っていたことを思い出します。書籍の流通システムついては以前より議論にあるところですが、このままだと出版文化が本当にダメになってしまいます。
これを時代の流れだと切り捨てるのは簡単ですが、寂しいものがあります。