欧州最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)が、世界各国の排ガス規制をかいくぐるために、不正なソフトウエアを搭載していたスキャンダルが多方面にに大きな衝撃をもたらしています。
ここで、このVW排ガス不正を伝えたドイツ雑誌「Der Spiegel」の表紙を見てみましょう。
ここでクイズです。"Der Selbstmord"とはどんな意味でしょう。
正解は「自殺」です。無理やり英語に直すとself-murderぐらいでしょうか。ドイツ経済のシンボルともいうべき巨大企業が行った「犯罪」は、まさに「自殺」また「自爆」というべきでしょう。単なる設計ミスや製造ミスといった過失ではなく、意図的に行われた不正行為ですから事態は深刻です。この表紙からもオワタ感が漂ってきます。
これまでのドイツに対するイメージと言えば、マイスター制度がありモノづくりに誇りを持っていて、こういう不正には決して手を染めないモラルが高い人たちの国というものでした。ですから一層、その落差に驚かされました。
リコール費用、賠償金、制裁金などの経済的な損失ももちろん大きいですが、失墜したブランドイメージを回復するには長い時間を要するでしょう。VWの一企業の問題ではなく、もはやドイツ経済全体の問題です。
個人的にはVW車を所有していた経験があるので、愛着のある自動車メーカーです。なんとか生き残ってほしいものです。今後の成り行きに注目したいと思います。