目黒シネマで映画『味園ユニバース』(2015年、監督:山下敦弘)を鑑賞。主演は関ジャニ∞の渋谷すばる。
- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2015/08/19
- メディア: Blu-ray
舞台は大阪。広場で行われていたバンド「赤犬」のライブに、ふらふらと現れた大森茂雄(渋谷すばる)が和田アキ子の「古い日記」を圧倒的な歌唱力で熱唱。そのまま気を失った男には歌うこと以外の記憶がないことが分かる。「赤犬」のマネージャーのカスミ(二階堂ふみ)は、茂雄に「ポチ男」と名付け、自宅兼スタジオで働かせる。カスミはポチ男を赤犬にボーカルとして迎えようとする。そうしたなかポチ男の記憶が少しずつ回復していく。
ストーリーは比較的単純で記憶喪失の男が記憶を回復する話である。作品は一貫して大阪の庶民的な街(?)を舞台としているので、その雰囲気が受け入れられるかどうかがポイントだろうか。個人的には大阪弁が苦手なのでややハードルが高い。関ジャニ∞のファンがターゲットならば問題ないのだろう。
本作では二階堂ふみに目が行く。存在感がある。二階堂ふみは宮崎あおいに似ているとよく言われるが、今回も何度も宮崎あおいに見えた。こう言うとファンに怒られそうだが「ぶさいくな宮崎あおい」という表現が的を射ている。
これは悪口ではなく、宮崎がこれまで演じてきた役柄から良妻賢母で「あげまん」の印象が強い一方で、二階堂ふみはそうした当たり障りないポジションから離れて自由奔放な雰囲気が持ち味で固定されたイメージがない。今回もPAを操作するときのセーラー服姿は美しく撮られようする姿勢がまったく感じられずに潔い。今後もどんな役を見せてくれるか楽しみな女優である。
それにしても劇中のバンド「赤犬」のライブは圧倒的で一度ライブを見たくなった。ホーン・セクションまでいるバンドで楽しそうだ。東京でも活動しているのだろうか。気になる存在だ。