退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『南極物語』(1983) / 大きなスクリーンでみたい映画

新文芸坐の〈銀幕に刻んだ男の生き様 追悼 高倉健〉で映画『南極物語』(1983年、蔵原惟繕監督)を見てきた。南極の昭和基地に残された15匹の樺太犬のサバイバル劇。そして、1年後に再会を果たす兄弟犬タロとジロと越冬隊員。

「どうして見捨てたのですか なぜ犬たちを連れて帰ってくれなかったのですか」というキャッチコピーで大ヒットを記録した作品として知られているが、美談として語られる映画のトーンに納得できなかった記憶がある。

今回もやはり理解できない映画だった。主人公が、樺太犬を置き去りにしたことを苦悩したうえ大学を退職したり、犬の元の飼い主を訪問する。たかが犬に思い入れが強すぎる。まあ子ども向けに潤色したのだろうが、多少偽善的ですらある。

肝心の健さんは、渡瀬恒彦とともに南極越冬隊の犬の飼育係を演じている。そして日本では北大講師という役どころ。この映画の主役は犬たちなので人間ドラマは少なめである。正直、追悼作品としてどうなのかと思うが、この映画を大きなスクリーンで見られてのは貴重の経験であろう。ストーリーは措いても、南極の大スペクタクルは一見の価値はある。

今回、下にあるようにブルーレイでの上映かと思ったが、上映トラブルのため鑑賞した回は35ミリフィルムでの上映だった。BDで上映トラブルとは珍しい。日本映画も主な作品はDCPにしてほしい。そのための公的な補助があってもいいだろう。
f:id:goldensnail:20150130235003j:plain

新文芸坐での高倉健さんの追悼企画は、来月には「第二部・東映編」が予定されている。任侠三昧。ちょっと苦手な分野だが一度ぐらいは足を運んでみたい。


映画予告編(003) 南極物語