退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

あしたのジョー、の時代展 @練馬区立美術館

練馬区立美術館で開催中の「あしたのジョー、の時代展」に行ってきました。「あしたのジョー」は、原作は高森朝雄梶原一騎の別名義)、作画はちばてつやで1967年から1973年まで『週刊少年マガジン』で連載されたボクシング漫画です。

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どんな展示会なの?

この展示会では、「あしたのジョー」の作品世界を数々の原画で構成し、併せてアニメや映画やレコードなど関連資料をから本作品の多方面への展開を紹介します。また、寺山修司土方巽秋山祐徳太子ら同時代に活躍した芸術家の足跡を辿り、「あしたのジョー」をキーワードに1960年代末から70年代初頭の文化を振り返るという趣向です。

連載当時に若者の心を捉えらたボクシング漫画は、連載40年を経たいまでも色褪せません。その若者たちもすっかりオッサン。「団塊世代ホイホイ」の企画展です。

見どころは?

やっぱり原画

展示会の見どころをいくつかあげてみます。やはり、ちばてつやによる原画の数々でしょう。とくに彩色された扉絵や表紙絵がすばらしい。順路どおりに見ていくとちゃんと燃え尽きたジョーで終わるというにくい演出です。

他には、「あしたのジョー」が表紙の『週刊少年マガジン』がずらりとショーケースにならんでいたのは圧巻です。表紙には、当時の他のマンガも載っていて懐かしい思いがこみ上げてきます。

力石徹の告別式の祭壇

2階への階段には矢吹丈力石徹が描かれていて気分が盛り上がります。

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劇中で1970年に力石徹が死去すると、寺山修司らが中心になって実際に告別式が開催されたことはよく知られています。本展でも力石の祭壇が設けられていて、その部屋に入るとはっとします。当時の進行表も展示されていていました。

その祭壇で焼香できればよかったのですが、「さわらないでください」という注意書きがあり興を削がれます。まあ、遊び半分でやることではないかもしれませんが。

金山明博のイラスト

連載終了後も、本作は人々の記憶に多くのものを残しています。最後の会場には、クリエーターらの手による「あしたのジョー」へのオマージュ作品が展示されていました。そのなかで金山明博の《死闘》というイラストがありました。それを見るだけでも足を運ぶ意義があります。他にも金山がジョーを描いたスケッチブックの見開きも貴重です。

おまけ

この展示会のチケットも遊び心いっぱいでした。ジョーの周りに切込線があり、ちょっと加工すると、立てることができるギミックがあります。「立つんだジョー!」ということでしょうか。なかなか気が利いています。

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アニメ都市を標榜する練馬区。今後もサブカル系の企画をどんどんやってほしいですね。会場は西武池袋線中村橋駅近くです。会期は9月21日まで。沿線の人は急げ!

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