退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『紀子の食卓』(2005) / 吉高由里子がいいね

シネマヴェーラ渋谷で開催中の「園子温監督特集」で映画「紀子の食卓」(2005年、園子温監督)を鑑賞。本作品は、同監督「自殺サークル」のアナザーストーリーという要素もあるので、特集での上映スケジュールは「自殺サークル」の後の方がよかっただろう。まあ、この作品を単独で観ても問題はないが……。

「家族」をテーマにした青春ドラマかと思いきや、園子温監督作品がそんなはずはない。あっという間に荒唐無稽な展開になり、多くの観客は置いてきぼりになる。鑑賞後、「家族」とは何かということを考えなおさずにはいられないが、そもそも「家族」なんて要らないのと思う人も多いのではないか。それほど強烈なメッセージを印象を残す。

血みどろにしないと気が済まない作風に付いて行けない人も、本作品のキャスティングには注目してほしい。主要キャストは、主人公・紀子(吹石一恵)、妹・ユカ(吉高由里子)、姉妹の父親(光石研)、そして「上野駅54」ことクミコ(つぐみ)である。終盤、この四人が擬似家族を演じて鍋を囲むシーンはなかなか趣がある。

キャストの中ではブレーク前の吉高由里子が出色で、主役の吹石を喰っている。吹石のメガネっ娘はめずらしくファンは萌えるだろうがイマイチ影が薄い。吉高に対抗するには体当たりで脱ぐしかなかったか(ただ自分が観たかっただけかも)。吉高の演技を観るだけでも価値がある。

また怒涛の展開のあとの光が射すようなラストシーンは素敵だ。長尺の映画だが最後まで観るといいことがあるかもしれない。

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