退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

山野車輪『「若者奴隷」時代 』

『マンガ 嫌韓流』の作者が、今度は「世代間格差」を取り上げてた一冊。外国人に続いて高齢者を華麗に攻撃するアジテーション・コミックといえる。ネームが多くて読みづらいが、テーマの性質上仕方ないのか。

そもそも世代間格差をことさらに問題にしてもあまり建設的でないように思われる。高齢者といっても、皆がこのコミックに出てくるように傲慢で経済的に恵まれているわけでもないし、健康面に不安を持つ人も多い。さらに世代間格差といっても、さらに一つ上の世代は、戦死したり戦禍にあった人も多いし、中世の時代の人はどうだったのかいうようにキリがない。

少子化高齢化、年金問題グローバル化など日本が直面していている問題をデータに基づき整理されていて、思ったよりもまともな本。それでも容易に処方箋は見えてこない。まあ、それほど簡単に解決策などあるわけないが…。でも、もっと建設的な提言があればよかったとも思うが、煽るだけというのが作者の持ち味かもしれない。