- 作者: 石川幸憲
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 単行本
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本書は、タイトルに「キンドル」とあるが、単なるキンドルの解説本でない。米メディア、とくに新聞・雑誌が、インターネットの普及や世界不況の影響で、大不振に陥って再編を迫られる現状を捉え、米メディアの将来を展望するノンフィクション。その再編の動きの象徴としてキンドルが取り上げられている。
この本を読むと、メディアのマネタイズが困難になりつつある現実を実感できる。この状況でジャーナリズムはどうなるかと思ったが、インタビューのなかでピューリッツァー賞なんて内輪受けにすぎず、読者本位で情報発信することが大事だと説くのが印象に残る。
本書の刊行後も、ついにアップルからiPadが発表されたり、日本でも日経経済新聞が有料で電子化されたり、電子書籍をめぐる動きは激しい。
本書は主に米メディアについて書かれているが、米国で起こったことは、日本でも必ず起こるだろうから、わが国のメディアの将来を占う場合にも十分に参考になるだろう。