3月22日にNHKで放送された「激震マスメディア〜テレビ・新聞の未来〜」を録画で観た。ネット時代のマスメディアのあり方を考える討論番組。パネラーは次のとおり。
番組タイトルに「激震」とあったが、既存メディアの面々に危機感が希薄だったことが、いちばん印象的だった。震度1ぐらい。パネラーのような世代は国内の政治工作で延命を図り、そのまま逃げ切れると考えているのかもしれない。もっとマスメディアの現場で働く中堅どころを取材してほしかった。
米国の新聞社の凋落などが取り上げられていたが、まるで対岸の火事といった様子で、「日本の新聞は事情が違う」というあまり根拠のない楽観論ばかりが目立った。また、Politico や AOL Newsといったメディアの新しい形態が紹介されたので、日本の状況はどうかと思ったが、ほとんど議論が発展せずに終わって唖然とした。
そんな調子だったので、90分という長時間番組だったが、まったく建設的な議論がなく不毛だった。まるで議論が噛みあっていなかった。モデレーターがダメだったのかしらん。
今回、番組でTwitterのハッシュタグ(#nhk_media0322)を示して意見を募集していたが、天下の公共放送が一企業のサービスを取り上げていいのだろうか。パナソニックのパソコンのメーカーロゴはしっかりテープで隠しているくせに…。
寄せられた意見が十分に活用されているようには思えなかったが、これは今後の課題だろうか。リアルタイムで番組を見ながら、Twitterを追いかければ結構面白かったのかもしれない。録画で見たのは失敗だったかもしれない。
余談だが、ニコニコ生放送による外務大臣の記者会見の現場の様子が見れたのはよかった。テレビ局などの立派なカメラのなかで、ニコニコのカメラだけショボい。場所も仲間はずれのように隅に追いやられていた。これが現場の現実なのだろうが、現状を示す象徴的な映像だった。
あとradikoの話題が出なかったのは残念。NHKが意図的に避けたのだろうか。