退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「地デジ説明会」に行ってきた

先日、総務省・デジタル放送推進協会による「地デジ説明会」に行ってきた。説明会が開催はポストに投函されていた案内状で知った。当初あまり関心がなかったが、『週刊新潮』(2009年10月29日号)で、“「地デジ説明会」年間58億円・7万回の「閑古鳥」”という記事を読んで、どんなものか一度見ておこうかと思った次第。

案内状では会場の定員300名となっていた。当日、会場に到着すると200名程度の席が用意してあったが、参加者は30名にも満たない有様で、まさに「閑古鳥」といったところ。

まず、ひととおり地デジ移行についてのプレゼンを聞く。

最初に「なぜ地デジに変えるのか」という説明があり、それには大きく2つの理由があるという。ひとつめは「テレビサービスの向上」である。これは、本当に必要かどうかは別にしても、受信画像が高画質になるのはわかりやすいし、電子番組表(EPG)なども便利そうなので、一定の説得力があるようだ。

もうひとつは、「電波の有効利用」であり、「交通システム」「緊急災害対応」「高速モバイル通信」といった用途に利用することで生活がより便利になるという説明だった。しかし具体的なロードマップは示されず、いつどんなメリットを国民が享受できるのか分かりにくい。社会全体がコストを負担して地デジへの移行を期限付きでするのだから、その点は、もう少し説明があってしかるべきだろう。

続いて「地デジを見るには」何が必要かという説明があった。テレビやチューナー、そしてアンテナといった視聴者が用意する必要がある設備・機材である。説明によれば、地元自治体では、約88パーセントの世帯が、ケーブルテレビでテレビを受信しているとのこと。意外にケーブルテレビの普及率が高いので驚いた。ほとんどの世帯では自分でアンテナを設置する必要がないということは、比較的、円滑に移行できるのかもしれない。

プレゼン終了後、全体の質疑応答を経て、個別相談を受け付けていた。高齢者を中心に参加者の多くが、列に並んで相談を受けていたので、説明会にもそれなりの需要はあるみたいだ。週刊誌の指摘するように、費用対効果の問題あるだろうが、まるっきりムダというわけでもなさそうだ。