- 作者: 福島瑞穂
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 1992/07
- メディア: ハードカバー
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鳩山内閣で少子化推進担当大臣に就任した福島瑞穂が、かつて編集した本として話題になったので図書館から借りてきた。タイトルがとてもセンセーショナルなので「おろしろすぐる」と話題沸騰している。
この本が出版されたのは1992年の17年前*1であり、その当時の発言を捉えていま批判するのもフェアでないのだろうが、実際に読んでみても強烈な内容だ。例えば、冒頭の対談では“妊娠・出産は最大の「搾取」だ”とか、フェミ全快で笑える。
しかしよくよく読んでいくと、ざっくり言えば、一貫したテーマは「出産という人生選択の自由を阻害する社会は好ましくない」というところだろうか。
また深読みしすぎかもしれないが、17年前には、いずれ出産・子育ての環境が整備されたときに、女性の「産まない選択」が社会から批判を浴びないように、その防御ラインとして企画された、とも考えられる。
実際には、その後、グローバル社会の到来に伴い、出産・子育ての負担はますます増大している。まあ出産・子育ての環境は改善されずに現在に至っているので、皮肉にもこの本で提起された問題はいまなお未解決のままで、そのまま参考になることも多い。
この本を読むと少子化問題は、「子ども手当」程度では、到底解決できない大問題であることがわかるが、今後、福島大臣がどういった政策を打ち出すのか生暖かく見守りたい。