目黒シネマで「ワルキューレ」(2008年、ブライアン・シンガー)を観る。トム・クルーズが演じるドイツ軍将校によるヒトラー暗殺計画「ワルキューレ作戦」を描いた作品。
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実話に基づくということなので、史実から観客には予め失敗する暗殺計画であることがわかる。そのため、成功か失敗かというワクワクすることはなく、どのように失敗するかに注意が向いてしまうのは、この映画の難点だろう。とはいうものの、計画が発動する場面は躍動感があるし、普通に面白いとは言える。
しかしトム・クルーズが、敬虔なクリスチャンのドイツ人将校を演じるのは違和感があるし、いかにもアメリカ人という役者がナチを演じるのはどうかと思う。冒頭、ドイツ語で始まったので、ドイツ語劇かと思ったら、すぐに英語になったのでオイオイと思った。ハリウッド映画だから英語劇なのは仕方ないが、姑息な演出がかえって惨めだ。
史実とはいえ暗殺計画自体が杜撰なのも萎える。「必殺」を目指すならば、爆弾を仕掛けて逃げるのではなく自爆テロやれよと思ったが、ドイツ人にはそういう発想はないのだろう。
そもそもヒトラーを暗殺しようとする動機があまり語られないも気になった。当時のドイツ軍将校がヒトラーをどのように評価していたのかを、もっと丹念に描いてほしかった。
余談だが、日本語だとワルキューレというのだろうか、英語ではValkyrie(ヴァルキリー)だし、ドイツ語ではWalküre(ヴァルキューレ)なのに。ドイツ語の“W”の音が濁らずに伝わったのだろうか。