- 作者: 松浦武志
- 出版社/メーカー: 創芸出版
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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「霞が関の埋蔵金」などと騒がれていたのを見ながら、現代において「埋蔵金」とは何事なのかと思い、「特別会計」のことを少しは勉強してみようと思い立った。しかし、なかなか入門書がない。そうしたなか、この本に行き着いたのだが、類書がないという点で貴重な一冊。この問題自体が複雑で金額が大きすぎるということもあって、決して読みやすい本ではないので、少しは覚悟が必要かもしれない。
一般会計だけを見ても予算の真の姿は見えず、特別会計こそが本当の国家予算であることがよくわかる。現行の特別予算のメカニズムを理解するには良書である。近年実施された改革によって、多少改善されているものの、あるべき姿にはほど遠いことも実感できる。
第4章「特別会計総まくり」は、特別会計の各勘定の実態を見ていくという、各論に言及した章である。かなり長いが、読者は、自分の生活に沿って予算を考えるよい契機になるのではないだろうか。1つずつじっくり読み進めていくことをお勧めする。
近年、独立行政法人などが多数設立されて、ますます全貌がわからなくなっている。次回は、各所管の独立行政法人を総まくりしてほしい。
著者は先日まで、名古屋市長に就任した河村たかし氏の政策秘書をしていたらしい。国会の身近で仕事をしていた経験が生かされているのも、この本の特徴といえる