退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『大菩薩峠 完結編』 (1961/大映)

大菩薩峠 完結編」(1961年, 森一生)をDVDで鑑賞する。大映による中里介山の長編小説の映画化。市川雷蔵主演の三部作の第3作。冒頭に前回までにあらすじあり。

大菩薩峠 DVD-BOX

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監督が、三隅研次から森一生に交代して、一部は怪談映画のような演出になるが、雷蔵の存在感は十分に捉えられている。とくに槍をもった殺陣は秀逸。また鉄砲水のシーンでの慟哭する様も必見。

それでも山本富士子が消えてしまったのは何故だと思うし、そもそもあの結末で「完結編」といわれても納得できない。映画オリジナルの脚本を用意して、みんなが納得して席を立てるラストにすべきだったろう。まあ雷蔵の迫真の演技を堪能できるという点で、かろうじて記憶されるべき映画といえる。