越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 越前敏弥
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: 新書
- 購入: 20人 クリック: 165回
- この商品を含むブログ (48件) を見る
『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』の翻訳者として知られる筆者が、英語を教える現場で収集した「誤読しやすい英文」を紹介、解説した本である。昔の大学受験の参考書みたいだなと思いながら読んでみた。各問題が比較的短いので電車の中などでちょっとした時間を利用できる。手軽な新書サイズというのもよい。本来ならば実際に訳文を作成してから解説を読むといいのだろうが、移動時間で読了してしまった。
本当に知的な英文を読みこなすには、精読というか、文法を駆使して、細かいところもおろそかにしない読み方が必要なのだと感じさせてくれる良書。本当に役立つ英語力というのは、こうした英文をすらすら読めることなのだろうとも感じた。語彙はそれほど難しくないので、文法をおさらいすれば、誰でも挑戦できるだろう。
また、この本には「わたしはこうして英語を勉強した」という筆者のインタビューが載っている。英語学習者にとって示唆に富む内容だった。「正しく訳せないものはぜったいに理解できていない」というのは至言であろう。あとタイトルがやや大仰なのは愛嬌か。
ちなみに表紙の赤鉛筆に書いてある英文は、A-52に解説があります。