今年度からNHK外国語講座のラジオ番組の多くがストリーム配信されるようになったので、拾い聴きしていると、小塩節先生の「まいにちドイツ語」の応用編で、J.F.ケネディ米大統領のスピーチを取り上げていた(4月3日放送分)。
ドイツ語講座なのに、なぜケネディ大統領なのかと思って聞いてみると。東西冷戦下のベルリンを訪れたケネディが、西ベルリン市民に次のようにドイツ語で語りかけたのを、取り上げている。
Today, in the world of freedom, the proudest boast is "Ich bin ein Berliner."
この不定冠詞を用いた ein Berliner は通常は間違いだが、例外的にこのように言えば「こう見えても、ベルリンっ子なんだ」と粋がった強調となり、連帯を呼びかけたものだとしている。
この演説はとても有名であるが、ドイツ語の冠詞の使い方でこうしたニュアンスがあるとは、なかなか深い。演説の全文はこちら。