近くのシネコンで「ヤッターマン」(2008年, 三池崇史)を観る。1977年から放送されたテレビアニメ『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』の実写映画化。
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: DVD
- 購入: 16人 クリック: 198回
- この商品を含むブログ (114件) を見る
原作に忠実に実写化されるので、アニメでの「お約束」もふんだんに盛り込まれていて、往年のファンの期待を裏切らない。特にCGで再現されたメカは感涙モノ。
そうはいっても、やはり注目は、ドロンジョを演じる深田恭子だろう。キャスティングが発表されたときは、ちょっと違うのではないかとの声もあったが、完成して映画を観ると妙な存在感がある。決して器用な女優ではないと思うのだが、過去にも彼女にしかできない役を得ており、不思議なオーラを感じさせる女優である。
コスプレ羞恥プレイにしか思えない衣装を身につけた深田恭子が、世間の耳目を集め、興業成績に大きく貢献したことは間違いない。本人としては不本意かもしれないが、本作が彼女の代表作の一つになることだろう。この時期に彼女の姿をフィルムに記録できたことは僥倖というべきか。
だた、もう一歩踏み込んでほしかったとも思う。例えば、ドロンジョは衣装がぼろぼろになって、すっぽんすっぽんになってナンボだと思うが、やはり無理だろうか。その分、岡本杏理が汚れ役を演じていたが、そのための映画オリジナルキャラクターだったのだろうか。
さらにボヤッキーとドンズラーを含めたドロンボー一味のビジュアル面の完成度は極めて高いのはすばらしいのも特筆できる。ただ、舌足らずでしゃべるドロンジョはイメージと違う。ここは是非、真矢みきあたりの低い声が良かった。
概ねテンポよく進行するのだが、ラスト近くの阿部サダヲが救出されるシーンなどは冗漫に感じた。全体的に尺を短くしてほしかった。あと、「説明しよう!」のナレーションは、いまでも富山敬さんでなければダメなのだが、さすがに無理か。
アニメの実写化作品にはガッカリすることが多いが、この作品は原作の雰囲気を損なわずに、現代的な味付けがうまく加えられている珍しい成功例といえる。
余談。文化放送の水谷加奈が出演しています。探してみてください。