『蘇える金狼』(1979)

シネマヴェーラ渋谷で「蘇える金狼」(1979年，村川透)を鑑賞。《村川透×松田優作》のなかでは一番好きな作品。ハードボイルド路線の松田優作の魅力が溢れている。成田三樹夫、小池朝雄、岸田森らの共演者も渋くていい。

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そうはいうものの役者の魅力だけは映画は成立しないと思い知らされる映画でもある。まず松田優作が演じる朝倉が、結局何をやりたいのが伝わらないのが致命的である。朝倉が、大金を手にしてカウンタックで都心を疾走して大喜びするシーンで大いに萎える。既存権力への反抗なのか。それとも、ただのバカなのか。

次に呆れたのは、ボクシングをやっているという理由だけで、一社員に殺しを依頼する会社の能天気なところ。ありえない。こんなバカが大企業のトップとは…。

さらに、女の胸をもみまくるだけで簡単に情報を引き出す朝倉。サービスカットのつもりかもしれないけどワケがわからん。

まあ若き日の風吹ジュンの体当たり演技(陳腐な表現ですが、要はエッチシーン)が唯一の見どころ、というのは言いすぎか。